11月2日は「死者の日(Allerseelen)」と呼ばれる記念日で、キリスト教を信仰して亡くなったすべての人たちに敬意を示す日です。
カトリック教のことなら関係ないと思われた方はいませんか。
でも、もしもハロウィンを楽しまれたのなら、まったく関係ないとは言えないかも。なぜなら、ハロウィンが行われた10月31日から11月2日までが一連した死者に関わる祭日だからです。
10月31日から11月1日までの祭日ってなに?
10月31日は「ハロウィン(Halloween)」
10月31日は言わずと知れた「ハロウィン」です。お子さんにかぼちゃのコスチュームを着せてお菓子をもらいにお出かけした方もいたのではないでしょうか。
「ハロウィン」はケルト文化の「サウィン祭(Samhain)」がアメリカのキリスト教に取り入れられて始まったお祭りです。
冬の始まりを告げるサウィンでは死者の霊が戻ってくると考えられています。良い霊とともに悪霊も来ることから、火を焚くなどして悪霊払いが行われました。
このサフィンの儀式がちょうどキリスト教の祭日である「諸聖人の日」の前日だったことが重なって、「ハロウィン」が生まれました。
11月1日は「諸聖人の日(Allerheiligen)」
ハロウィンが終わった翌日の11月1日に、ミュンヘンにいるお友達に電話をしてみたら、「今日は祝日よ」と言われて驚いた方はいませんか。
ちょっと稀な想定かもしれませんね(💦)
11月1日は、キリスト教のカトリック派が祝う祭日「諸聖人の日」です。「万聖節」という別称もあるのですが、この日は全ての聖人に敬意を払います。
カトリック派の「聖人」とは、「特に信仰が深いために教会から称号を得た人」のことです。
ドイツではカトリック派の信仰が強く残っている次の5州で、「諸聖人の日」は祝日になっています。
- バーデン=ヴュルテンベルク州(Baden-Württemberg)
- バイエルン州(Bayern)
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Nordrhein-Westfalen)
- ラインラント=プファルツ州(Rheinland-Pfalz)
- ザールラント州(Saarland)
「諸聖人の日」の恒例行事はお墓参りで、諸聖人の日の祝日にお墓に行かれる方が多くいます。
11月2日「死者の日(Allerseelen)」
「死者の日」なんて言うとちょっとおどろおどろしいのですが、言葉通り、「死者の日」とは、キリスト教を信仰していて亡くなった人たちを敬う日です。この「死者の日」もカトリック派による記念日になります。
カトリック派の教会では「死者の日」にちなんだミサが行われますが、メキシコでは11月1日から2日かけて「死者の日」を祝い盛大なパレードやパーティが開かれます。
骸骨の仮装をすることが有名で、一見、ハロウィンと重なってしまうのですが、メキシコで開かれる死者の日のお祭りはハロウィンとは区別されます。
骸骨となった死者が別世界で生きているという考えに基づいて、11月2日の当日には骸骨の仮装をして夜通しで祝われます。
10月31日の「ハロウィン」に始まり、11月1日の「諸聖人の日」、そして11月2日の「死者の日」と続いた死にまつわる記念日たち。
この記念日が終わったころから、ドイツには冬の訪れを感じられる日々がやってくるでしょう。お出かけの際には、寒さから身を守ってくれる温かいジャケットやコートをお忘れなく。
最後まで読んでくださってありがとうございました。