みんなが大好きな「おにぎり」を題材に扱った絵本があるのをご存知ですか。『おにぎりにんじゃ』と『万次郎とおにぎり』は、どちらもおにぎりがテーマの絵本です。
でもここで登場するおにぎりは、皆さんがよく知っているおにぎりとは、ちょっと違うようです。
おにぎりがどんな姿で現れるのか。絵本の世界で楽しんでみてはいかがですか。
今回は、『おにぎりにんじゃ』と『万次郎とおにぎり』の2冊の絵本を紹介します。
『おにぎりにんじゃ』はどんな絵本?
『おにぎりにんじゃ』のあらすじ
まっくろなのりを身にまとう男前のおにぎりにんじゃ。のりまき城(じろ)に向かうと、お殿さまから、盗まれたまきものをどんぶり城からとりかえせ!というミッションを言い渡されました。
どんぶり城へと急ぐおにぎりにんじゃ。忍法ごましおおにぎりの術、つくだ煮昆布の術などさまざまな術を繰り出して、ついに見つけたまきものですが、あ!
おにぎりにんじゃが捕まってしまいました。おにぎり忍者、大ピンチ!おにぎりにんじゃはどのようにしてこの試練を切り抜けるのか⁈
それは、読んでからのお楽しみ~
『おにぎりにんじゃ』はワクワクドキドキのストーリーがおもしろい
『おにぎりにんじゃ』は、おにぎりにんじゃが、どんぶり城からまきものを取り返すまでのスピード感あるストーリーが魅力的です。
テンポがいいだけでなく、おにぎりにんじゃのさまざまな忍術も子どもたちの心をくすぐってくれるでしょう。
また、おにぎりにんじゃにのりまき城の城主など、登場人物の表情も生き生きと描かれていて、ストーリー×絵の迫力の両方を楽しめる絵本です。
『おにぎりにんじゃ』を読んであげるなら3才から
『おにぎりにんじゃ』は、3才くらいのお子さんから読み聞かせてあげられる絵本です。おにぎりにんじゃの活躍がわかりやすい構図ではっきりと描かれています。「つたたたー」「ぽぽぽぽぽー」などの擬音も楽しい絵本なので、小さなお子さんでも楽しめるでしょう。
また、みんなが大好きなおにぎりに忍者という組み合わせですから、年齢に関係なく、おにぎりが大好きなお子さんにおすすめです。
『おにぎりにんじゃ』の作品情報
- 出版社:講談社
- 出版日:2014年2月27日
- 作:北村裕花
- ISBN:9784061325654
『万次郎とおにぎり』はどんな絵本?
『万次郎とおにぎり』のあらすじ
実りの秋は、新米の季節。万次郎さんは、田んぼから取れた取れたてのお米をたいて、おにぎりを10個作りました。仕上げにのりをまいていくのですが、あらあら、最後の1個のおにぎりに巻くのりがありません。どうしましょう。
海苔を探している間に、おにぎりたちはむずむず。あ!
おにぎりたちは台所から外へと逃げだしました。のりを巻いていなかった最後のおにぎりも、散らばったのりの切れ端をくっつけながら出ていきます。
おにぎりがない!と慌てた万次郎さん。万次郎さんはおにぎりを追いかけて飛び出します。
「まてえ、まってくれえ。わたしのおにぎり やあい」
おにぎりたちは、なぜ外へと逃げだしたのでしょうか。実は、おにぎりたちには目的があったのです…。
『万次郎とおにぎり』でおにぎりを食べたくなる
『万次郎とおにぎり』の魅力は何と言っても、読後におにぎりを食べたくなってしまうことです。万次郎においしく握ってもらったおにぎりたち。おにぎりたちは外へと出ていったのは、おてんとうさまに自分たちの姿を見せたかったから。自分の晴れ姿をおてんとうさまに見せて、喜んでいるのです。
おてんとうさまに育てられたお米。そして、万次郎に大切に握られたおにぎりたち。そんなおにぎりはおいしいに決まっています。
『万次郎とおにぎり』を読んだら、きっとおにぎりが食べたくなりますよ。
『万次郎とおにぎり』を読んであげるなら2才から
『万次郎とおにぎり』は2才くらいのお子さんから読んであげられる絵本です。
四国の方言で語られている絵本ですが、難しいというよりも、言葉の温かさが万次郎とおにぎりの物語をやさしく包み込んでいるようです。
また、お日様に感謝するというストーリー展開は、大きなお子さんだと単なる食べ物のお話ではなくて、自然の豊かさを伝えるお話としても受け止めてもらえるのではないでしょうか。
『万次郎とおにぎり』の作品情報
- 出版社:福音館書店
- 出版日:2018年9月12日
- 文:本田いづみ
- 絵:北村人
- ISBN: 978-4-8340-8415-3
10月6日の「とっとこ本読み会」で読みますよ
『おにぎりにんじゃ』はおにぎりにんじゃの活躍する元気なお話で、『万次郎とおにぎり』は心温まるお話です。おにぎりをテーマにしている絵本ですが、全く違う視点で描かれている楽しい絵本です。
10月6日に開催するとっとこ本読み会では、『おにぎりにんじゃ』と『万次郎とおにぎり』の両方とも読む予定にしています。
お時間のある方は、ぜひおいでください。